迷える手紙 ーその1−

未完のまま、この手紙をアップします。ご意見賜れば幸甚に存じます。


管理組合理事長様

いつもお世話になっております。
理事会の末席を汚しております、601の住人の藤谷です。
本日までのご心労お察し申し上げます。突然このような失礼まずお許し下さい。
私も理事長様と同じく、今回たまたま、理事に選ばれましたものです。
「たまたま」がすべての理由ではありませんが、総会にも出席できず、お役に立てない
こと、申し訳なく思っております。重ねて非礼お許し下さい

さて、今回603号室の住居人の問題をめぐって私の態度をお伝えする必要があると
思われました。
もし、理事会内部で意見の相違があれば理事長様にご迷惑をおかけするのではないかと
思われます。
私たち理事会は今回、直接実害に会われている503号室のT様、604号室のM様のお
怒りが特に管理会社に向けられている面があり、態度決定に関して幾分、主体性を問わ
れずにすんでまいりました。
しかし、冷静に考えれば今回の問題に関しての主体は管理組合にあり、管理会社にはあ
りません。理事会は理事会内部で態度決定ができない場合、総会を招集し、意見を聞く
必要がありますし、理事会内部で態度決定をしたことが管理組合の総意である事に裏付
けをとる必要がありましょう。(管理規約上の理事会決定の性格を確認したわけではあ
りませんが。)

私は個人的には603号室の住居人に対してなんの不安感も持っておりません。
実害に関しては実害に則して解決されることだと認識しております。
隣人の生活を詮索しだしたら不安感はつきないものと考えております。
ただ、理事の一員としては全居住人の総意として、いわゆる社会的に認知?されており
ますオウム教団に対する不安が認められます場合、無視するわけにはまいりません。
まして現在、オウム教団は一連の事件に対して教団としての関わりを否定し、信者個人
の問題にすり替えている限り、その不安も充分根拠のあることだと考えております。
と同時に603号室の住居人も私たち同様以上の不安感を私たちに持っていると認識し
ているものです。

問題は私の中で錯綜としてまいりますが、私の中では、実害が解決された場合、ポイン
トになるのは603号室が教団施設であるのかになります。教団施設として実害が発生
しているという論拠は成り立ちはしますが、教団施設であるとするなら、実害以前に管
理組合としては認めるわけにはまいりません。そしてその判断を法にゆだねるのか、管
理組合自身によってするのかは、相手の出方にも依存すると考えます。その場合、どう
しても前提として直接に対話することが必要になります。
もし、その経過の中でまったく個人的な部屋利用ということが認められた場合を、ある
いはそのような答えがでてくること自体を、私たちは想定しているでしょうか。
想定しない場合、話し合いは成立しません。

私の態度は想定することになります。この態度は今まで出席させていただきました会合
での皆様方のご意見と相違があるのではないかと危惧しております。
私は少なくとも現在各地で見受けられるヒステリックな対応からは自由でありたいと考
えております。隣の人は誰であるか、本来わからないことですし、誰を隣にするかは別
にオウム持ち出すまでもなく、誰にも特定できないことです。つまり、それが社会のあ
り方だと考えております。
ただ、このような態度が問題の対処の仕方として、理事会に水を差すようなことになっ
ては申し訳なく思いますし、本意でもありません。したがって一住居人として個人的に
関わる方がよいのではないかと考えました。
さらにご心労をおかけするようで、それは本意でなく気分は萎えませんが、今一度お考
え下さり、ご判断していただければと思います。