偶然、NHKBSで歌舞伎『元禄忠臣蔵』が放映されているのを知る。
なんでも国立劇場40周年記念の出し物で10・11・12月と公演されたものらしい。
これは顔見世がかすむというモンだ?
吉右衛門さんの第一部は放映自体を知らなかったので見逃したが先週、坂田藤十郎さんから見たことになる。やっぱ吉右衛門の大石を見たかったよなぁ・・・。
で、今週は幸四郎さんの大石であった・・・。
これは思わず、ずぅーっと見てしまいました。
2幕目の「ご一同、長い歳月でござりましたなぁ・・・」というくだりは、もう涙モンである。会場にいる人もみんな泣いているはずである・・・。
小生、たぶん「大石最後の一日」は顔見世で誰かは忘れたが、見ているはずだが、これはもう松本幸四郎の独壇場である。
「大石最後の一日」の一番いいところで宅急便のオッサンがやって来たので、涙顔を隠すのが大変であった。
しかし、オッサンも顔を拭きながら出てきた小生を不審がらず長話をするので、いいかげん頭に来るのであった。
(オッサンは間違えて注文をしてしまった『つま恋』の記録本を取りに来てくれたのである)
それにしてもこの、真山青果なるのひとの『元禄忠臣蔵』は、セリフにメリハリがあるというか、セリフにもうこれぞ歌舞伎といった静止?の醍醐味があり、寛美サン風にいうなれば大阪にわか?の本家本元である。
これは泣かせるよなぁ・・・。
こんなもんを全編一挙に見られるというは、すごい企画である。
唯一、えらそうにいえば坂田藤十郎はつらい。顔が丸顔だし、背が低い。つらい。
しかし、んなことはどうでもよく、やっぱどうしても新劇は負けちゃうんである?
師走はやっぱ忠臣蔵である。